サーフィンでワーホリがバーレーヘッズの洗礼
パーコも転んだ岩ゲット
オーストラリアのゴールドコーストでサーフィンを続けてもう何年も経つ。
特にバーレーヘッズがお気に入りのポイントで、波が上がると必ずぼくはパドルアウトしているのだ。
岩場からエントリーするバーレーポイントはちょっと危険。
5人に1人位の割合で、サーファー達がスープに足を持っていかれて岩の上を転げまわったり、岩と岩の間に体が挟まってズタボロにされているのだ。
あのトッププロのパーコでさえも転んでしまうとゆう危険な岩ゲット。(Free as a dogを見れば転んでるシーンが出てくるよ。映ってないけど実はパーコのすぐ後ろでは、ぼくが順番待ちしてたのだ)
そう、どんなに経験が豊富なサーファーでも、油断をすればたちまちバーレーヘッズの洗礼を受けてしまうのだ。
そんな危険極まりないサーフポイントにずっと通い続けているが、まだ最初に入った日の事が忘れられない。
あの時生きて帰って来れたのは、もしかしたら奇跡なんじゃないかなって思うのは大げさかもしれないけど、正直ヤバいと思った。
あの洗礼を受けたから、今もバーレーで無事にサーフできてるのだろうか。
大村さんに導かれて?バーレーポイントへ
あれは2002年の年末だった。当時のぼくはまだゴールドコーストに来てほんの2ヶ月で何も知らなかったんだけど、サーフィンの情熱だけは人一倍あった。
22歳だったぼくは英語はもちろん、ローカルの友達もいなかったし、いつも持ってたのは毎日サーフィンをしたい欲、それにサーフボードと車だけだった。海に通うにはそれだけで十分だった。
最初に紹介してもらったサーフショップはサーファーズにあったSurf100%で(今はAwsome surfに変わってます)、そこで亀仙人みたいな風貌のオーナー、大村さんと知り合ったのだ。
その人もバーレーヘッズが好きな人で、波が上がれば必ずそこにいてローカルからもリスペクトされていると言われている人で、ぼくもその人の影響を受けてバーレーに興味を持つようになった。
それまではどこにいい波があるのか分からずに、バーレービーチかマイアミビーチでフラフラとパドリングばかりしていた。
だってその時はまだサーフィンが何たるかも分かってない上に、テイクオフをするだけで精一杯のド初心者サーファーだったからしょうがない。しかも簡単に入る情報も少なかったしね。
あの時のぼくはパドルもフラフラ揺れて、足もパッカーっと開いていたスタイルだったなぁ(笑)
今考えるとよくあんなんで「俺サーファーやねん」とか言ってたなぁって思う。
初めて目の当たりにした「ザ、デイ」
そしてついにやってきた「The Day」にも臆することなく、ぼくはボードを抱えてさっそうとバーレーに向かっていた。
ド初心者のぼくにも波が相当デカいってのが分かったし、バーレーヘッズに集まってくるサーファーたちのテンションがめちゃくちゃ上がってるのが伝わってきた。
なんとぼくみたいなのも一丁前にエキサイトしていたのだから笑える。
どこからどうやってエントリーすればいいのか分からなかったんだけど、サーファー達がバーレーの丘の上を駆け上がり、ロックの方に向かう姿を見て迷わず後を付いて行った。
初めて足を踏み入れたバーレーコーブ。慣れない岩の上を歩いてそれだけで何度も転びそうになるものの、そこがどんなところなのか分かろうともせずに、ただただサーファー達の後ろにくっついていたのだ。
そこでたまたま大村さんに遭遇した。挨拶をしたもののとても真剣な顔をしていたので話が広がらず、準備運動に集中してた様子だったので、ぼくも横で一緒になってウォームアップをすることにした。
そしていざロックダイブの手前まで来ると、その時がなかなかハードな状況とゆう事が分かった。
多分気持ち的にはバンジージャンプの台まで上がったものの、怖くて飛べないみたいなそんな感じだったと思う。けど後には引けない気持ちがあった。
周りのサーファーを見てると、何か飛び出すタイミングがあるようなないような。
大きな波を初めて見たのでまだ良く分からなかったのだ。
そんな状況でも大村さんは「ポンポンポン、ピョン!」とウサギのように跳ねて、簡単にエントリーしていった。
ついに洗礼を受ける時が
空気的にぼくの出番が来た。
良く分からぬまま恐る恐る岩の上を歩き進めていくと、すぐに頭の高さぐらいのスープが襲ってきた。
慌てて後ろに下がろうとしてもすでに遅し。
足を持っていかれたどころか体が完全に水に浮いてる状態になった。
しかし場所的にはまだ下はゴロゴロとした岩がいっぱいあるはず。
サーフボードは手から離れたし絶対絶命のピンチ。
そして潮が引いていくと同時にぼくの身体も海に向かって吸い込まれていって、次々に顔を出す岩の上をガンガンゴロゴロ転がされた。
「やばいやばい」と思っても体が起き上がらない。
リーシュコードが引っかかってサーフボードが引き寄せれない。
とかやってるうちに次の波が来て最初よりもさらにガンガンやられ、岩に何度も叩き付けられた。
「もうボードなんかほったるわ」そんな思いでリーシュを足から外して、震える体を何とか支えながら後ろに戻ることが出来た。
気が付いたらぼくのボードは、近くで一部始終を見てたオージーが持っててくれてた。
その人はなんか言ってくれたけど、ちょっとテンパってたのと英語力の無さでなんて言ってるのか分からなかったが、得意の「いぇーいぇー」と言ってその場をしのぎ、とりあえず車に戻った。
ボードはフィンが2本折れてて、あっちこっち穴だらけのズタボロ。
ぼくの足もざっくり切れてて、全身擦り傷だらけになってしまった。
今だったら相当ショックを受けるけど、当時のぼくは若さと馬鹿さが半分半分だったのであまり気にしていなかった。
バーレーを愛すると決めた日
その日のうちにSurf100%に、ズタボロになったサーフボードを持って行った。
大村さんに会ってその朝にあった出来事を話すと、
「おめぇ今日みたいな波の時は行っちゃだめだぞ。あれはエキスパート向きだぁ。おめぇみたいなしろーとがバーレーに入って来るんじゃねぇぞぉ!」と一喝されてしまった。
うんうん、確かに。波も大きかったし、岩ゲットもした事もないぼくみたいなしろーとが行っちゃだめなんだな。うんうん。。。。っていやいやおっさん!あんたあそこで会ったんだから注意してよ。
大村さんがいたから、ぼくも行けるだろうって思っちゃったじゃないか。くっそー悔しい。しろーとだけど悔しくて涙が出た。
それからはもっともっとバーレーに通って、いつか見返してやるからなぁと心に誓った、初めてのバーレーでの岩ゲットで洗礼を受けた日の事であった。
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この映画はレジェンドサーファーの川井幹雄さんが70年代に製作した伝説の映画『ストーンブレイク』。
4月に発売されたばかりのこのリメイク版は『ストーンブレイクドリームス』という名で新たにリリースされた。
ついにぼくも観ました。ぼくもミッキーさんたちのように素敵に年齢を重ねていき、いつまでも波乗りを楽しんでいきたいなって思わされたサーフムービー。
かなりおススメです!!
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