大遅刻はザッツオーケーなのだ。
前回の続きである。
その日のぼくはとても元気だったはずなのだ。
寝る前に飲んだお酒はグラス一杯のワインだけだったし、遅くても8時には爆睡してたはずだし。
原因を挙げるとすれば「仕事帰りにサーフィン2ラウンドした」たったそれだけの事である。
何の話かとゆうと?
実は今朝、ぼくは遅刻してしまったのである。
4時半出勤にも拘らず、起きたら5時だった。外はまだ真っ暗。3時に起きても5時に起きても、外はまだ真っ暗。
だからハッと目が覚めて時計を見ても全然実感がなかった。
身体は自分が何をしでかしたのか分かっておらず、しかももう一度眠ってやろうかぐらいの勢いだったので、できる限りの力を振り絞りベッドから飛び起きて次の瞬間には車に飛び乗っていた。
奥さんが車を置いててくれてよかったよ。こんなに寝坊してチャリで通勤してたら、たぶんその遅さに途中で諦めて仕事を辞めちゃってたかもしれない。
そして仕事のことが心配だった。朝のホテルは限られた最小人数のスタッフしかいなくて、代わりがいないのだ。だからシェフであるぼくが出勤しないと、朝のバッフェをオープンさせることができないのだ。これはごめんなさいで済ませられることではない。ホテルに迷惑を掛けてしまったら大変な事になってしまう。
車でブッ飛ばしたら5分で到着した。途中何キロを出したのかは知らないが、これは世界新記録である。ほとぼりが冷めたらボスに報告しなければならない。
やはりとゆうか当然の状況がそこにはあった。ナイトマネージャーが慌てていて今まさに誰かに電話を掛けようとしているところであった。たぶんエグゼクティブシェフにだろうか。
走り込んで入って来たぼくを見つけたマネージャーは、「なんだ君だったのか。また遅刻してるからてっきりラメッシュおじさんだと思って、今日こそはエグゼクティブシェフを呼ぼうと思ってたんだ」
こんな朝からエグゼクティブシェフを起こされたんじゃたまったもんじゃない。ぼくは平謝りで謝り倒してカギ受け取り、いつもの100倍のスピードでキッチンを開けて、朝のバッフェに間に合わせた。
もしこれが日本の会社で働いていたら、ぼくは一日中反省の色を見せ続けなければならないだろうし、次々に出勤してくる責任者たちに謝り続けなければならないだろう。
しかしここはオーストラリア。そんな深刻そうなぼく(まぁそんな風に振る舞ったのだが)に向かって言って来るのは、「That's OK!」の一言だった。
調子に乗って「いや~昨日さ、サーフィンし過ぎちゃって疲れてたのかも」とか、「奥さんが日本に行ってるから起こしてくれる人がいなくて困ったよ」なんてゆうのを笑いながら話していると、それを咎めることなく一緒に盛り上がってくれるではないか。
どんだけのんきなんだよオーストラリアは。しかも上への報告もしないみたいだし(もみ消すとゆうよりは、別に報告するまでもないんじゃない?みたいな感じ)、普段は使わさせてくれないゲスト用の駐車場まで貸してくれたのだ。
日頃の行いが良いからか?なんかみんなが優し過ぎて怖い気もするが、こんなんだから平気で遅刻するスタッフが後を絶えないんだろうな。
日本だったら一日中吊し上げだよなぁ。
良かったよかった。ここがオーストラリアで。
さて、アラームのセットを確認してから寝ようかな。
Have great night.
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