【ゴールドコーストで働く】ぼくはシェフ。インド人のオムレツへの執念でやられっぱなしだ。







職場での事、朝食バッフェで目玉焼きステーションに立っていると相当なプレシャーが掛かる。一度で約20個の目玉焼きを作り、休みなく頑張ってもやはりお客さんが取っていくスピードの方が早いのだ。たかが目玉焼きといえど必死なのである。

今はハイシーズンなのかインド人がやたらやってくる。それも30人とか80人とかの団体でやって来て、どんどん料理かっさらって行くのだ。作る方はとても追いつけたもんではないのだ。

彼らは完全に火が通った卵しか食べないので、半熟に焼いた目玉焼きを嫌がる。だからしょっちゅう「両面焼きをくれ!」と要求されちょっと大変になる。だってそんな事言って来るのって一人や二人じゃないから。

さらに彼らの好物はオムレツである。うちのバッフェでは一つ一つ作ってる暇はないので、残念ながら毎回お断り致しておるのだ。

しかしインドのオムレツは、作るのがそんなに難しいもんでもなかったりする。

日本人なら誰もがワクワクするあのフワフワ半熟のオムレツじゃなくて、玉ねぎや、唐辛子、パクチーを入れてぺったんこに焼いた卵焼きが彼らの言う「オムレツ」なのである。

ぼくも毎朝断り続けるのを心苦しく思ったりするので、会社が許可してくれるなら作らせてもらいたいと思っているのだ。

と、今は家にいるからそんな事を言ってるぼくだが、目玉焼きを焼いている最中に(お客さんに対して後ろを向いて作ってる)インド人が20人ぐらい群がってる気配を感じるときは、恐怖さえ覚えてしまう。

彼らは「ハロー?」と呼び掛けてくるのだが、そんな時は聞こえないふりをしているのだ。だって振り向いたら次々に注文を言って来るし、オムレツも断らなきゃいけない。ちょっとした戦いなのだ。

何人もの声の「ハロー!ハロー!」が聞こえてきてもその言葉自体が分からないふりである。きっとあれはヒンディー語であって英語では無いんだと。

するとその中の一人が突然「エクスキューズミー?」と言ってきた。さすがに英語で言われると反応しない訳にはいかないので笑顔で振り返って対応をした。すると周りのインド人は驚いた表情で「これだ!」と言わんばかりに皆が皆「エクスキューズミー!エクスキューズミー!エクスキューズミー!」と言い始め途端に戦場と化してしまった。

インド人が正しい英語を覚えた瞬間である(笑)

しかしそれでも「オムレツ」だけは断り続けなきゃいけないのだ。だって一人に作ったらそのほかの何十人、いや何百人ものインド人に作り続けなきゃいけないから。

新しい英語の使い方を覚えてしまうほど、インド人のオムレツへの執念は強烈だったのだ。


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