次のスーシェフには日本人が!?





今のホテルで働き始めて3年目に入った。

ぼくはずっと日本食でやってきたので、この西洋キッチンに入ったばかりの頃は戸惑いまくりだった。

そしてそんな何も知らなかったぼくを見下してた奴らがいっぱいいたのだが、みんな辞めて行った。

他のホテルに移った人、シェフ自体を辞めた人、フードビジネスを買って独立した人、旅に出た人、そんなみんながいなくなって正直ホッとしてる面もあるし、あの頃にボロカス鍛えられて良かったとも思っている。




先月の事。

ぼくが入社した当時から厳しく指導していただき、いつも可愛がってくれていたSous chefが他のホテルのヘッドシェフに就任していった。

現在マントラレジェンズホテルは、No2のシェフ不在のままである。


ぼくの経験上、日本人の職場環境だと、例え責任者不在でも日常業務にそれほど差支えることはないと思う。

従業員全員が一致団結して、それまでに教えられてきたことをしっかりと守って、責任をもって働く。

これが日本では当然の姿だと思う。


ところがここでは、面白いくらい目に見えて、シェフたちの気の緩みがわかるのだ。

スーシェフがいた頃はきちんと守られていた、ルーティーン掃除や食品温度表の記録、ストック管理など、どれもじゃまくさいものだし、やらなくてもクビになるものでもない。

でもやらなきゃいけないのに、みんな全然やらなくなった。


日本人なら一度やれと言われたことは、もうやらなくてもいいと言われるまで続けるものだ。

こっちで働いてる奴らは、やれと言われたらやる。しかし次の日に言われなかったらもうやらない。

そしてボスから怒られたら、またやり始める。

次の日にはまた、やらなくなっている。



そんな労働者が多いオーストラリアだが、なんで日本よりも給料が多いのか全く理解に苦しむところだ。



そしてそんな考えを持つぼくの事を評価してくれているのはエグゼクティブシェフなのだが、誰かシェフが抜ける話が出ると、必ず日本人シェフを探してくれと言われる。

残念ながら当てがなく、これまで一人も紹介してこなかったのだが、ぜひとも日本人シェフに入ってほしいと願っている。


同じく移民である他のシェフからも、日本人シェフはいないかと尋ねられたがその時はこう答えた。




「他の日本人シェフも簡単に使えると思ってるだろうけど、俺なんかボトムから這い上がってきた人間だからね。他の奴らはもっともっとすごいし、日本人シェフが本当に入ってきたらお前らの仕事はなくなるんじゃない?」

ジョーク交じりに本心で言ってやった。





最初は2年経ったら辞めようと思ってたのだが、ここに来て環境の変化が訪れようとしている。


不在のNo2のイスに、外から採用されて入ってくる日本人シェフが座るという話が入って来た。

現在は年棒や条件などを交渉中だから確定ではないけど。



そしたらまた仕事が面白くなりそうなので、もう1年はここでやってみようかな。

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