寄付文化があるオーストラリア
寄付を求められた話
仕事を終えて家に帰ってくると、奥さんが起きて待っていてくれた。
こんな日は娘たちも早く寝ていて、二人でゆっくりな時間が過ごせるのだ。
いつものようにその日にあったことを話していた。
今日はちょっと変わった事があったそうだ。
若い男性二人が突然家に来たらしい。
どうやら寄付を集めてまわっているいるとゆうのだ。
Mission Australiaとゆう団体からやってきたとゆう二人は、オーストラリアに存在する様々な理由のホームレスに対する支援活動をしていて、その為の寄付を募っていると。
サインアップすると月々30ドルからの寄付をすることができ、毎月クレジットカード引き落としになる仕組みとゆう説明を受けたらしい。
突然の訪問者に、いぶかしげな態度で話しを聞いていた奥さんは、やはり一人でポンッと決めれるものではないと判断したようだ。
しかし相手の男性たちもなかなかしぶとくて、まったく諦めてくれる様子がなかったらしい。
「このマーメイドビーチでは、今日もたくさんの人たちがサインアップをして、この団体への寄付を始めてくれたので是非お願いします」と言われ断りにくくなったらしい。
ぼくはその場にいなかったのでこれ以上の細かいやり取りは省くが、これから我が家ではこの団体に、最低金額の毎月30ドルからの寄付をしていくことになった。
家に帰って来たばかりのぼくはこの話を聞いて、騙されたんじゃないかと思ってちょっと気分が良くなかった。
その後数時間に渡って奥さんとしっかり話し合った。
ちょっと強引とも取れる男性たちに対応してしまった事、クレジットカードナンバーを相手に渡したことなど、これまでの生活には無かった出来事なので、ぼく自身も戸惑ってしまった。
「今すぐキャンセルする事もできるよ。」
奥さんからそう言われて、少し安心したぼくは一晩考えることにした。
寄付をする。
日本にいた頃は思いっきり偽善な気がして、絶対にそんな事をする気は起きなかった。
でもオーストラリアにきて周りを見渡すと、ここでは寄付の文化がしっかりと根付いてるように感じた。
ぼくが働いているホテルでも頻繁にチャリティーイベントが行われていて、毎回多くの寄付金を集めれているようだ。
2011年の東日本大震災のあと、オーストラリアでも様々な団体や個人がその方面への寄付を募っていて、オージーが積極的にお金を出してくれていたのをしっかりと見た。
それに感動し、心を打たれたぼくらはその後他の国でも大きな災害が起きて募金活動が始まると寄付をするようになった。
偽善かどうか、ってゆうのは分からないところだけど、正直言って自分が出したお金で困っている人が助かるとゆうのであれば、こっちとしても気分が良くなる。
そんな理由でだが少しづつやっている。
「俺には両親もちゃんといて、めっちゃ恵まれているからな」
ずっと昔から孤児院への支援を続けているぼくの親友はそう言っていた。
「困ったときはお互いさまやもんね」
関東で洪水が発生した時、たくさんの家が水浸しになった。
タオルが不足していると聞けば、すぐに被災地へ大量のタオルを送り込んでいたぼくの幼馴染はそう言って、いつも困った人たちに手を差し伸べている。
「収入の10パーセントをお世話になった国で寄付していく」
路上で歌いながら、世界を旅しているバスカーのゾロもそんな事をやってるしね。
ぼくら夫婦は、、、、。
最近素敵なビーチハウスに引っ越してきた。その前はセキュリティーのしっかりしたとてもきれいな所に住んでいた。その前はいつでもたくさん人を呼べる遊びやすい家に住んでいたし。
ずっとこうやって住むところには困らずぼくらはオーストラリアでやって来れている。
ミッションオーストラリアとゆう団体は150年間、オーストラリアで住む家に困っている人たちを支援し続けていて、昨年は67808人をサポートすることができたとパンフレットに書いてある。
ぼくらには安心して暮らせる家があって幸せなので、そんなぼくらからの支援で一人でも助けれるならなんか嬉しいなと思い定期的に寄付活動をしていくことになった。
突然の訪問にはびっくりしたけど、これも一つのチャンスなんじゃないかな。
人の役に立てるならそんなに嬉しいことはないよね。
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